2024/02/22

第46回学生設計優秀作品展 作品紹介[5]

皆慕の楽園
ー犬猫目線での幸せを再考する一時保護シェルターー


文化学園大学造形学部 建築・インテリア学科 小泉舞子

[作品データ]
建物用途:犬猫の保護シェルター
敷地所在地:神奈川県平塚市

[制作データ]
作品総点数:模型1点、図面6枚

[設計主旨]
神奈川県平塚市に位置し、人の集うポテンシャルを持ち、暮らしの一コマになれるような敷地に「犬猫目線での幸せ を再考する一時保護シェルター」を計画。日本における動物愛護活動の現状は、犬•猫と人間の共生が謳われている が、共生はできていないと考える。 現在の動物保護のシステムでは、里親への譲渡段階で、人間が人間だけをみて審査をしていることから、保護された 犬、猫の幸せが決め付けられてしまっているのではないかと思う。 人間とは違う生き物である犬•猫と共に暮らすには、まず生態や本能を学び、知識を持つことで理解のある暮らしが できると思う。そのためのには、犬猫にとっては「魅せる」人間にとっては「学ぶ」施設が必要であると考える。

[推薦のことば]
文化学園大学 造形学部建築・インテリア学科 准教授 種田元晴
法律上「愛玩動物」とされるペットは、いまや家族の一員として尊ばれ、「伴侶動物」(コンパニオン・アニマル) と呼ばれるようになった。しかし、乱繁殖や飼育放棄など、ペットを取り巻く課題はいまだ多い。このような問題意 識のもと、伴侶動物を購入するだけでも訓練するだけでもない、伴侶動物を保護団体から引き受けようとする飼い主 をも訓練することを趣旨とした施設を真剣に考えた点は独創性に富んでいる。動物保護を取り巻く複雑な環境や、飼 い犬、飼い猫の生態についてもよく調査するとともに、関連する建築の事例研究も熱心に行った。また、計画敷地の 周辺環境もよく読み込み、L字型の敷地形状がもたらす独特な動線を建築の主題へと昇華した。これらの努力のうえ に、人、犬、猫の動線・視線を織り交ぜることで新たな空間体験を提供しようと試みた点は高く評価できる。


第46回学生設計優秀作品展 作品集から
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